NEMモザイクを利用した社内通貨を提案するまで
先日、社内通貨を導入するとツイートしたところ、予想以上の反響がありちょっと驚きました。
上司にNEMを使った社内通貨の導入についてプレゼンしたところ、進めることになりました。
— まろえもん (@maroemon58) 2018年5月22日
久々に仕事が楽しくなりそうだ😙
ツイートでは上司と書いてますが、実は経営者に直接提案しました。思い切った行動のように思えますが、いきなり直談判したわけでなく念入りに下準備した上で臨んでいます。それまでの経緯とぼくが考えていたことをお伝えします。
キッカケはブロックチェーンを仕事で扱いたかった
NEMを使って社内通貨の導入を提案してみようかな。社内だけのトークンエコノミーが出来上がれば社員間のコミュニティが活性化して面白くなりそう。#nem
— まろえもん (@maroemon58) 2018年4月17日
NEMのプロダクトを公開したのをキッカケに仕事でも何かできないかと考えたとき、社内通貨というアイデアを思いつきました。ただ、この時点では問題解決のためのアイデアでなく、単純にぼくが面白そうだからやりたいという想いだけでした。
大前提としてブロックチェーンや仮想通貨に興味がない
ぼくが普段行っている業務はEC系の開発がメインで、ブロックチェーンとは無縁の会社でした。そういった環境でいきなり「ブロックチェーンを使って社内通貨を導入しましょう!」と経営者に力説したところで一蹴されるだけだし、誰の意見も聞かずに突き進めて「これ使ってみない?」って勧めてみても誰も付いてこないだろうなって予想しました。
そもそも仮想通貨の印象や認知度って一般的にはどんなものでしょう?同僚に聞いてみると2018年1月に発生したコインチェックのNEMハッキング事件でさえ記憶が薄れています。そもそも知らない人もいました・・。それくらいどうでもいいことなんです。
温度差がある状態でブロックチェーンや仮想通貨の魅力、メリットを伝えても共感は得られないでしょう。
導入メリットに共感を持ってもらう
メリットをより共感してもらうため次の順序を踏みました。まずはぼくが思う会社の問題点を提起する。その解決策として社内通貨を導入しませんか?というストーリー仕立てを考えました。
問題点
大きな問題点として1つ、仕事のやりがいをテーマに取り上げました。ぼくが思う仕事のやりがいって達成感だったり、他人から褒められたり、感謝される。結構シンプルなものだと考えています。その仕事のやりがいが阻害される原因を主に2つあげてみます。
評価制度
人から褒めてもらったり評価されることは純粋に嬉しいし、仕事のやりがいにもなります。ですが、その評価が報酬として反映される時期が少なすぎるのでは?と思っていました。
一般的な会社であれば、賞与が2回(夏と冬)、給与改定が1回、1年間で3回しか報酬に反映される機会がありません。この機会をもっと増やすべきだろうと考えました。社員間のコミュニケーション不足
上司と部下など、業務上でコミュニケーションを取る必要があれば、必然的に雑談もするし評価される、面と向かって「ありがとう」と言われる機会もあります。ですが、年齢が近い同僚、先輩や後輩のほうがお互い評価したり、感謝の気持ちを伝えることに照れや恥じらいがあるようです。仲が良い間柄であればそんなこともないかも知れませんが、皆が皆仲が良いっていうのもあり得ないでしょう。
ようするに社員間でコミュニケーション、感謝の気持ちをもっと伝えることができれば、もっとやりがいのある会社になるのでは?と思いました。
面倒なシステムにしない
社内通貨という単語から会社独自の経済圏を作るのか、って思われた方もいるでしょう。でも、考えてみてください。ほぼ全員がブロックチェーンや仮想通貨について理解してないし、そもそも興味がありません。
もし社内通貨を導入するとき、そういう人たちへ向けて例えばトークンエコノミーの概念を説明するとどうなるでしょう?「なにいってんだ、こいつ」ってなるでしょうね。そもそも興味ないんだから。積極的に理解しようとしないし、誰も利用しないシステムになると懸念しました。
全く新しい概念を持ち込まず、馴染みのあるシステムを利用することにしました。
社内通貨の仕組み
目指したのは評価しやすいシステム。そして、評価されて嬉しいシステムです。
社員間で評価するシステムはTwitterやFacebookの「イイね」機能を参考にしました。知らない人からイイねしてもらっても、みなさんも多少はいい気分しますよね?
この「イイね」機能はいま利用しているタスク管理ツールでやり取りすることができるので、誰かに感謝の気持を伝えたいときはこの機能を使って「イイね」を送ります。イイねをもらうだけでも嬉しいですが、もっと嬉しいものに変えるために社内通貨に交換して貯めれるようにします。
そして、貯めた社内通貨はmacbookなど好きな商品やグッズに交換できるシステムを作ります。
NEMはかんたんに社内通貨が作れる
既存のシステムを利用できるのはいいが、そもそも社内通貨の発行って難しいんじゃないの?って発想が浮かぶので、ここでようやくNEMについて説明をします。
詳細は省いてかんたんに社内通貨が作れるよってことをアピールしました。
課題
構想がまだ全然練れてないので、紹介したシステムだとただのポイント制度になると懸念しています。社員間での通貨のやり取りを行えるようにし、インセンティブをより働きかける仕組みが望ましいです。ですが、前述の面倒なシステムを押し付けたくないのと、会社という特性上、社内通貨の取り組みに消極的な人もいるでしょう。もっと言えばそんなつもりで入社したわけじゃないって人もいるでしょう。
会社のメリットも伝える
社員に給与とは別に商品、グッズを与えると会社にとってはコストになります。そこで会社にとってのメリットを提示します。例えば・・・
- 社員間のコミュニケーションが活発になる
- 社外にアピールできる
例:会社紹介、採用関連
会社の状況や将来像によっては説得力は弱いかも知れません。自社を最初のモデルケースとし、事業として展開できる可能性を示唆すれば経営者には効果的でしょうね。
事例はいくつか紹介されている
実はこちらの記事を参考にしました。
今注目の社内通貨とは?|コミュニケーション活性や業績UPにつながる効果も | HR NOTE
社内通貨の活用方法は各社異なるので、自社の業務内容や風習を考慮した上でシステム設定を行ったが良いでしょう。 記事を読んでみると2008年から導入している会社もあります。導入後、どう変わったのか気になりますね。
まとめ
はじめは「NEMで何か作りたい」という想いだけでしたが、仮想通貨を知らない人にも共感できる道筋を描くことで社内で導入できるところまでたどり着きました。 これから協力してくれる同僚と詳細を練っていくという段階なので、道のりは険しいですが楽しみなプロジェクトとなりそうです。
会社で仮想通貨を扱いたい、会社をより良くしたいと考えている方は社内通貨制度を検討されてはいかがでしょうか。ではまた。